2003年12月

「正気と狂気」

 だれでも自分の中に正気と狂気を持っています。
 正気でなければ、日々の生活や仕事をやっていけません。そこで、狂気は早々と物心ついた頃に心の奥底に隠したまま不調法ながらも、正気だけでなんとかこの世を生きていっているわけです。あなたもきっとそうでしょう?
 絵を描くことの何よりの面白さは、数を描く内に、あるとき数十年隠し持っていた内なる狂気に火がともされることです。それに気がついて、がんがん燃え広がらせていくか、慌てて消しとめて正気に戻るかは、自分次第というわけです。その判断によって次の人生も決まっていくことになります。

 2003年も終わり新しい年を迎えます。ここでお互いにあらためて、自分の中の正気と狂気とを見つめ直すというのは如何でしょうか? もし、私たちのそれぞれに、いわゆる「個性」つまり自分らしさと自分らしい生き方があるとするならば、それは正気だけでは決して無く、又狂気だけでも無い、正気と狂気とがピタリ一致した接点のみに劇的にあらわれるはずです。
 
 私も2004年アテネ・オリンピックがある年まで生きているとは思っていなかったのですが、生かされる以上は、老骨?にムチ打ち、かぎりなく正気に、そして同時にかぎりなく狂気にやっていきたいと思っています。あらたなる接点をもとめて。その気のある人、一緒にやりましょう。
 メリークリスマス!そして新しい年もどうぞよろしく!


大阪の街 
10月某日、梅田大丸での個展で大阪へ。早朝ホテルの26階の部屋の窓を開けてスケッチしました。「今日は、2回もトークショーがあるなァ……違うネタを考えなきゃ……」などと思いつつ、かなり「正気」の絵になりました。


横浜万華鏡
 その2週間後、横浜スケッチ会の人たちと、楽しく港の見える丘公園から夜の元町へと描き歩いたので、ちょっとばかり「狂気」が出たかもしれません。
(絵というものは正気を究めていくと遠近法や明暗法といった科学へと行きつき、狂気が進むと具象が崩れていってシュール・レアリズムや抽象へと行くものなのですね。ハテサテ、私の正気と狂気は新しいとし、どこへ向かうことやら……)


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