2005年11月

「これ、誰の絵?」

 このところ個展や、作品発表会、手づくり画集の出版がさかんです。
 いろいろ新鮮な作品を目にする機会が増え、このところ何度も「おおっ!」とか「ムムっ!」などと思わず叫んでしまう絵にも出会うことができました。
 しかしその一方で「なんとなく似たような絵が多くなったなァ」といういう印象も強く受けています。
 ポストカードを貰っても名前が無いと誰の絵やら判別できない「線スケッチ」がかなりあるのですよ。
 これは、「自分の線」についても「自分の絵」についても考えることなく、ペン描きを単なる描きごこちのいい「スタイル」と心得、それに塗り絵あそびのように色をつけているだけ……の結果が現れはじめたということに違いありません。
 自分の描いた絵が他人のものと判別できなくなってしまったと思われる人、どうかここでハタと立ち止まり、居住まいを正してほしいです。
 ●他の誰のものでもない「自分の線」とは何か?
 ●他の誰のものでもない「自分の絵」とは何か?
 ●他の誰でもない「自分」とは何か?
についてとくと考えることを開始してください。よくよく自分の作品を他人のそれと比べて見つめれば、きっと何かが思いあたるはずです。
 そして今後、ウラに名前がなければ判別できないようなポストカードを、やたらに配るのはやめてください。棄てられるかもしれませんよ。

奥多摩御岳渓谷のカヌー(F8ワットマン)
昨年につづいて秋の御岳渓谷に挑戦しました。
この岩場で何度も何度も回転を試みる女性カヌーイストのエネルギーをもらいながらのスケッチです。
ここの魅力は、激しい岩の線、スピード感のある水流の線、フワリとしたコスモスの線など、多様な線が混ざり合っているところです。 奥多摩御岳渓谷(F8ワットマン)
線を生かしつつ、水彩絵具の透明感よりも色の鮮やかさを生かしてパワーを出したいとガンガン塗り込みました。
奥多摩鳩の巣渓谷(F8ワットマン)
御岳駅よりさらに3つ先の駅を降りたら、より男性的な線の渓谷がありました。ここは又来たい!

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