2007年3月

「心が変われば、線が変わる」

「色がうまく塗れない」と悩んでいる人がよくいますね。
そう言う人の絵を見ると、なんだか色よりも、そもそも「線」がなってないじゃないか、ということが多いようです。
 線がなってないということは、線がヘタということではなく、線にそもそも心が籠もっていない、ということです。
 心が籠もることなく、のんべんだらり、さらりさらりと引いた線に、いい色など塗れるわけがないのです。
 ダメな線を棚に上げて、色の心配ばかりするとは、ダメな肌を立て直すことをしないで、化粧のことばかり気にするようなものではないでしょうか。
 時は春です。
 宇宙の自然物も人間も動物も、みずみずしい姿を見せてあなたの、みずみずしい線で描かれるのを待っています。気合いを入れ、いい線が描ければ、思わずその線をいっそう引き立ててあげたくなり、ワクワクした気分で色が塗れます。色にも心が籠もってくるのです。
 そこで一言。
 
     心が変われば、線が変わる。
     線が変われば、絵が変わる。
     絵が変われば、人格が変わる。
     人格が変われば、運命が変わる。

(なかなかいい言葉でしょう? 実はこれ、ヤンキース松井選手の石川星陵高時代の野球部監督山下智徳さんの「心が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる」を私流に絵を描くことになぞらえてアレンジしたものです。我ながら気に入っているんです。この春は、私もこの一言を胸に描いていこうと思っております)

范寛「臨流独坐図」の模写
范寛「臨流独坐図」(156cm×106cm・10世紀後半ごろ?)
 これが原画です。輪郭はすべて力強い線で描かれ、うす墨の濃淡で色が塗られ、また立体感を出しています。
 西洋ルネッサンスの500年前に、東洋で線描が確立し、また、色彩を用いずにほぼ完ぺきに遠近法が出来上がっていたことが分かります。おどろくべきことです。
「見たか、ダ・ヴィンチ!」と言いたいですね。

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