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2009年4月 

都会という自画像

 私はこのところ東京の街をスケッチすることが面白くて、よく描き歩いています。
 しかし描くほどに、面白くはあれど本当に難しいものだ、とても手に負えないものだとも痛切に感じています。
 あらためて相対する東京という都会は、信じられないほど混乱しています。人間も多いし、建物も多い、
クルマも多い広告も多い……。そのどれもが忙しげに動き回っています。
 どこを描いたらいいのやら、手のつけようがない感じです。
 これを線でとらえる難しさの本当の理由は、このアナーキーともいえる都会の姿が、私の日々を生きる「現実そのもの」だということを思い知ることにあるように感じます。
 都会を描く面白さと難しさは、ちょうど自分と向き合って自画像を描くことによく似ているのではないでしょうか。
 この秋(9/25〜10/1)新宿世界堂ギャラリーにて「線と水彩で描く、TOKYO三十六景展!」を開きます。
 東京の永沢教室(池袋、新宿)の全受講生36名が、1人1景を担当し、全紙サイズで制作出品するものです。
私も賛助出品します。
 36人ひとり一人が、自画像を描くように東京の街と向き合い、どんな都会シーンを描きだすか、皆さんどうぞ期待して下さい!
 ここで西行法師の一句、
 「世のなかを 捨てて捨てえぬ心地して 
        みやこはなれぬ わが身なりけり」

<今月の絵>
谷中さんさき坂(760×560mmアルシュ)
A. 近ごろ人気の下町、谷中(やなか)を描こうということで、池袋教室のスケッチャーと出かけて行きました。私は1人さんさき坂を上っていったら、昭和風の木造二階屋の千代紙屋さんがありました。
B. 道路の向かい側に立ってマイブックに歩道に並んだ鉢植えを描いていたら自転車に乗った女性が左右確認で一時停止……。 C. F8の紙に自転車の女性を書き写し、千代紙屋さんなどの家々を描いてみましたが、途中でアキてしまいました。ひと休み散歩をした後、またここへ戻ってきて、こんどは中全紙を広げて新しく描いたのが「今月の一枚」です。
D. 谷中スケッチ隊が夕方、谷中の入口にあたる「夕焼けだんだん」の所に集まって途中経過の見せ合いを……。 E.一方、新宿教室のスケッチ隊は別の日、浅草仲見世に集結。「TOKYO三十六景展!」のための偵察スケッチを行いました。